2009年 07月 27日
『シンプルであり 納得である物』って どうゆうものなのか?。 2009 F/w は その辺りに立ち返って 物作りを進めていきます。 まずは こちらのシャツから。 ■TATAMIZE Boat neck shirt■ Size:S/M/L price:18,900yen 永く付き合っていけるアイテムの一つとして ボートネックのシャツをお届けいたします。 充分巷に溢れ 『マスト』といわれるべきブランドの1枚が ゆるぎなく『定番』として存在しているアイテムなので 改めて そのアイテム自体に 何かの説明が必要では 無いと思います。 TATAMIZEとして お届けしたいのは、定番アイテムだからこそ ブランドとしての拘りを味わっていただけるような一枚。 『拘り』は あくまで必要な『工夫』であって、付加価値や単なるウンチクとして ペーストされたものであってはいけないと思っています。 一枚の デイリーなカットソーと捉えれば、いささか 手が込みすぎ 合理的な作りとはいえない一枚ですが 仕上がりとしては 比較的シンプルな着地かと思います。 ので 洋服に頼ることなく、『様になってきた』皆様に お勧めいたします。 コーディネイトは、ご自身の思い描くように つまり 『お好きなように どうぞ』 なのですが、やはり個人的には シンプルで定番的なボトムスや シューズに 当たり前のように 組み合わせていただきたいと思います。 F/wの 物作りのテーマとして、組み合わせでの提案ではなく より 1アイテムとしての提案を濃くしていきたいと思っています。 今回 使用している素材は こちらも、この手のシャツとしては定番的な 16/2 天竺。 16番 双糸で編まれた、やや厚手で しっかりと腰もあり 柔軟で、洗濯後に ヨレがリセットされる おなじみの感触。 手触りとして ザラザラ感はなく 滑らかな印象。 クセモノの ケダマも心配ないでしょう。 色は、こちらも定番的な キナリ×ネイビー。 高温多湿で じっくりと染め上げられた 濃紺は、最初の段階では黒に見えるほど 濃い目の色です。 着用⇒洗濯を重ねるとこで 次第に『紺』がハッキリと そして 日焼けなどにより かすれた表情をみせてくれるでしょう。 肝である ネック部分には、コットンの見返しが表側に出るように 施されています。 勿論、ネック部分のヨレを防ぐ為 そして、ボートネックとはいえ 首に食い込む程 真直ぐなラインではなく ややラウンドしたラインを作る為にも また、ネック部分が擦り切れ 生地へダメージが及ばない事も考慮し この部分にコットンの見返しを施しております。 先にも言ったように、ネックラインは 例えば インナーにシャツを着た際にも 勿論1枚で着る際にも 様になるように ややカーブ気味で 開きもさほど広くなく 若干押さえたラインとなっています。 また、ネックの両サイドに 補強布が施されます。生地のゴロつきを考慮し 2つ折りではなく耳を利用した作り。 この部分に 補強布が必要かどうかは デザインや仕様に応じた 縫製手順や それに伴うパターンの違いからなります。 シャツの裾なども そうですが、『マチ』が付いている 付いていないの違いは そもそも 種類の違いによるもので 付いていないからといって 手間を省いている訳ではなく、付いているからといって それほど手間をかけている訳でもありません。 ようは、必要な場合 当たり前に付いて 必要ない場合は付いていないのです。 左肩は ボタン開きとなっております。 ボタンを開けなくても 着られる感じではありますが、コットンの見返しにより ネック部分の伸びがないので どのような方にも着ていただけるよう 施されています。 最も首に近いボタンは 着用した際にも 簡単に取り付けられるよう ループ留めに。 ボタンは 2つ穴貝ボタン。 経年変化により 表面のテカリが消え 曇ったような表情になり 表面が削れて いい面構えになっていきます(そうなるまでには かなりの時間と 洗濯が必要ですが・・・)。 また、ボタンを1~2個外して着ていただくのも 気分でしょう。 裏側から見た様子。 向布は 見返しと同じコットンです。 バックスタイル。 正面から見た感じと 色々違っているのが お分かりかと思います。 ↑ ネックは 後も見返し処理。 写真でお分かりになるか微妙ですが、肩線から 前身ネック部分との接点を通り バックネックまで 緩やかにフィットするラインを描く為、やはり見返しが必要なのです。 それが どう必要なのかはさておき ご試着の際は そのラインだけでもお確かめください。 表から見ると ↑のようにラウンドしたステッチが走ります。 このラウンドは ↑のような工夫をしつつ 動きの激しい 肩から腕にかけてのストレスを軽減するため(見返しを施している部分は 伸びないので)の ラインです。 また、背ダーツも施されています。 肩甲骨の膨らみを考慮する目的のものですが、今回ニット生地を使用しているので ダーツがなくても問題は ありませんでした。 (多分 見えてこないと思うので、ココから先は飛ばしていただいても なんら問題ないですよ・・・) なぜ、ダーツがあるのかというと ネックのラインというのは カーブがきつくない物ほど 仕上げて見ると 余分な生地が生まれ よれてしまうものです。 その為、余分な生地を パターン上でつまむ必要があります その、つまんだ余分は 今度は他の部分に以降してしまいます。 それを背ダーツに利用し ネックと背中のラインをどちらも考慮した 作りとなっています。 袖は セットインラグラン。 または(正しくは?) ワンサイドラグラン や スプリットラグラン 等と 色々と呼び名はあるようですが ようは、前袖 前身頃はセットイン 後袖 後身頃はラグラン (場合によってその逆) の袖のことで 肩線から袖口まで 2枚接ぎになっている袖です。 ステンカラーコートとかで お馴染みでしょう。 今回 ボーダー生地なので よりその仕様がハッキリと分かり デザイン的にも面白みがあります。 勿論、それだけでなく それを採用した理由もタップリと あります。 ↑前はセットインスリーブ。 セットインの利点というのは 人により 『語り』として色々とあるかと思いますが ショルダーのポイント、袖ぐりのおさまり等 身頃に対しての袖、体に対しての腕 のラインとして 綺麗な落ち感を描く事が出来ます。 前袖ぐりの Rを 深くえぐる様に描き かつコンパクトに仕上げる事で その落ち感が生まれます。 勿論、袖山の高さによって どの姿勢の時に美しい 袖であるかも決まってくるのですが 今回は、アイテムとして求められるフィット感として 比較的低めの袖山。 脇下は 食い込む事無く かつタプタプしない着地。 カットソーとしてとらえれば かなりキツメのRです。 捉え方として、前身は運動量というより ラインが求められます。勿論 前身のみで決まるものでは無いのですが。 後ろはラグラン。 『ラグランスリーブは 動きやすい』と 言われたりしますが、一概にそう言える訳ではありません。 正しくは 『動きやすい袖を作る上で より合理的に かつ単純な パターンによって作る事の出来る袖』というのが ラグランだと思います。 勿論、『雨が肩の縫い目から染み込まない』とか ナチュラルなショルダーが生まれる等 『語り』の角度としては 色々なんでしょうけど。 今回 袖に求めたのは、勿論 『動きやすさ』 かつ 『スッキリ感』 そして 『インナーにシャツを着ても ストレスを感じない 袖ぐり』 であり 『インナーとして 収まりの良い袖』 そして 『脇下の強度』でした。 肩線から あまり角度を付けずに袖口まで描かれたラグラン。 袖ぐりは 前身に比べタップリと取られ 動きやすくガゼットが施された ピボットスリーブ仕様となっています。 当たり前ですが、手足は前方に動かす事が多いものです。 なので必然的に 『後ろ』特に胸から上 肩にかけては 動きに対応したパターンが求められます。 つまり、 前身は コンパクトなセットインにし、スッキリとした印象を持たせ インナーとして使用しても 収まりの良い袖を作り 後ろは 動きやすさを考慮した仕様が 必要な時に働くよう工夫された 袖である。 という事です。伝わってますでしょうか・・・。 ガゼット部分は、生地取りを横にしておりますので、見え方として『乙』かと 思います。 そして、ラインや 動きやすさ意外にもう一つ。 袖と身頃の接ぎ目が 十字に交差する脇下部分。 ニット生地の場合、気が付くと生地がホツレ 穴が開いている 何てこともあるかと思います。 今回のように 折り伏せ縫いや 巻き縫いなどで 縫製される場合 接ぎ目が重なる部分というのは ただでさえ、生地の厚みが出て 擦れやすく 力の掛かる個所に多く生まれます。 例えば パンツの股部分とか。 勿論、ホツレは 生地の薄さなどによる部分も大いにありますが 先ほどの そでの解説も踏まえ、この部分の対処方として 前 後ろの袖ぐりの 深さをズラす事で 脇下で重なる事を防いでいるので、テンションが一箇所に掛かる事がなく 生地のゴロ付きも 無く仕上げています。 また、セットインと ピボットを組み合わせて袖を仕上げていますので 同じ袖ぐりだと どうしても綺麗なラインも 運動量も生まれません。 袖の解説が『?』であっても ご試着の際に 腕を前上方向へ上げたり 下げたり。 脱いで サイドから脇下を通り 袖へ繋がるラインを眺めていただくと もしかして、何かお気づきになるかもしれません。 勿論、気が付かなくても または、『どうでも良い』でも 気に入っていただける 仕様かと思います。 サイドは ↑ご覧のような 開き。 袖巾は 細すぎず 太すぎない。求められる袖巾 かと思います。 また、袖丈も インナーのシャツのカフスを覗かせやすい丈。 勿論、ご自身の袖丈 着丈に合わせて お作り出来ます。 縫製は 折り伏せ縫い。 他の人が どのように縫っているのかはよく知りませんが、僕の場合 同じ縫い代巾で2枚地縫いし 表から見て高くなるほうの縫い代を 約半分に切りそろえ、もう片方の縫い代で巻き込んで 裏側からステッチして 表からもう一本ステッチ。 という流れです。 要するに、最初の地縫いがポイントで Rのきついラインを縫製する為には 地縫いというのは欠かせません。 地縫いは ポリエステル。 ステッチは綿100の30番と使い別けています。 地縫いは 細番手でもある程度の強度を。 ステッチには洗いをかけることで生地に馴染む 綿糸を と 言った具合です。 最初に 書きましたが 洋服としての 経験 という事に限らず、 洋服に頼ることなく、『様になってきた』皆様 是非!。 ■取り扱い店■ ■札幌■ UNPLUGGED ■仙台■ ON THE EARTH CLASSIC ■東京■ JAM ■大阪■ Walls&Bridges
by tatamize99
| 2009-07-27 20:13
| SHIRT
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